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樹木医技術普及講座潜入レポート part1

先日、日本緑化センター主催の「樹木医技術普及講座」に参加してきました。(と言いつつ既に先月の話ですが)

この講座は樹木医さん達の為の技術向上のための勉強会なのですが、なんと樹木医ではなくても参加可能でした!立山産業にはまだ樹木医はいないので、実際の樹木医の技術を間近で見ることのできるまたと無い機会です。

日程は1月29日~1月31日の三日間、朝から晩までギッシリ密度の濃い講座でした。

今回はその内容を少しですが紹介したいと思います。

 

【 1月29日(1日目)

 

(1)学術論文作成の基本

富樫 一巳先生(東京大学名誉教授)

正直、論文なんて学生のとき以来全く縁が無いので理解できるか不安でしたが、富樫先生は講義の中で印象的なことを仰ってました。それは「読み手を裏切るような接続詞は使わない」ということです。

 

どういうことか、以前記事に書いたクビアカツヤカミキリを使って例文を挙げてみましょう。

 

「クビアカツヤカミキリは本来中国や台湾、朝鮮半島に生息する昆虫だが、積荷に紛れて日本に渡ったと考えられる。クビアカツヤカミキリは主にサクラやウメ等のバラ科の樹木を好む食性があり、幼虫は樹体内部を穿孔し、形成層にダメージを与える。既に国内の広い範囲で発見されており、このまま個体数が増え続ければサクラにとって深刻な被害を及ぼし、日本からお花見が消える日も来るかもしれない。しかしながら、 外来種が侵入してきた初期には、一時的に耐性の確立していない在来種が大きなダメージを受けるものの、天敵が現れたり、環境に適応できず徐々に外来種の勢力が収まっていくことも多い。」

 

 

どうですか?長々読ませておいて最終的に結論は違うんか~い!!と思いませんでしたか?

これがさらに長い文章だとなかなか精神的にきつくなってきますね。

ブログ担当者としても気を付けたい話です。

 

 

(2)楽しく話を聞いてもらう話術

石井 誠治先生(石井樹木医事務所・樹木医)

文章も大事ですが口頭での説明も大事です。

石井先生は自然観察会のインストラクターもやっていらっしゃる方です。葉っぱや木の実の現物を実際に聞き手に触ってもらってドンドン話に惹きこんでいきます。

そして簡単には答えを提示せず、聞き手に問いかけて観察から答えを導き出します。ときには先生自身も答えを知らないこともあるとか。

相手は自然ですから、必ずしも人間の理解しやすい答えが用意されているわけではありませんよね。

 

しかしこれ、腕に覚え有りな人は答えたくてウズウズするのでしょうけど

ビギナーにとってはこっちに話題を振らないでくれよ・・・って感じなのではないでしょうか。(私は目立ち嫌いなザ・日本人なのでそうです。)

でも積極的に参加していくうちに気にならなくなっていくのでしょうね。そこが樹木医(特に解説員をしているor目指す人)にとっては腕の見せ所でもありそうです!

 

 

(3)樹木医倫理のあり方

細野 哲央先生(一般社団法人地域緑花技術普及協会・樹木医)

いよいよ樹木医倫理&ディスカッションです。

 

講座第一部では樹木医Aさんと依頼者Bさんの間でトラブルが起きたという想定で、班ごとにディスカッションして問題点を洗い出し、最後に全体発表するという流れ。

 

講座第二部は市民側行政側に別れてのロールプレイングでした。

地域のシンボルである桜並木を守りたい市民と、倒木の危険性がある老木を伐採したい行政で熱い議論を戦わせるのですが、ロールプレイングってだんだん演技すること自体が楽しくなってくるんですね。最初は自分を捨て切れていなかった参加者たちに少しずつ町民の魂や市役所職員の魂が憑依していく様子はなかなかエキサイティングです。

 

第一部の事例も第二部の事例もすごくざっくり言うとコミュニケーション不足から生じたすれ違いが原因のトラブルでした。

 

皆さんの話を聞くと、ベテランの樹木医さんでも必ずどこかで診断を誤るなどの失敗を経験されてるようです。

100%失敗しないのは無理なので、失敗にどう対処するか、トラブルを回避して理解してもらうかということが大事になってきますね。

 

自分が医者に掛かったときに何も説明されずに突っけんどんに薬だけ処方されたら不安ですよね。そうは思っていても忙しさで余裕が無くてつい必要な説明をしていなかった、なんてことは十分ありえます。

 

樹木医は自分の言葉で、かつ植物の素人である依頼者さんにも分かるように説明することが求められるので、今回のようなその場で知り合った人たちと意見を出し合うというのは貴重な体験になりました。

 

長くなるので2日目・3日目のレポートは別の記事にまとめます!

つづく