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たかが植林 されど植林

中村 哲という医者をご存じでしょうか
最初に彼のことを知ったのは、10年以上あるいはもっと前だったと思いますが、その時の印象は ある意味よく話に聞く海外の貧困地帯などで医療活動を行っている数多くの人の一人、と今から思うと何とも奢った考えだったと思います。その中村医師が水路を作っているとの話を耳にし、医者なのになぜという思いがありました。
先日、中村医師を追ったドキュメンタリー映画を見ました。
大まかな話は砂漠化した土地に土木の専門家ではない中村医師が自ら重機などを操舵して水路を引く、というものでした。
医者であった中村医師が無謀とも思える荒涼たる砂漠化した土地の用水路掘削に手を出したのか。

人々が苦しんでいる要因の一つが飢餓。食べるものがないから病気になりやすく、回復もままならない。
食べるものが必要だけれども植物を育てる土地がない。水がない。
生きていくための農業ができる土地にしたい。そのためには「水」が必要。だから川から水をひく。
考え方としてはとても簡単ではあったけれども、実際の工事は困難を極め、何年も掛かってようやく水を引き植林された木は大きく育ち、荒涼とした土地に緑が育ち作物を育て生活している様子が写っていました。
幼若男女笑顔が見られ、緑の大切さを感じられる一場面でした

東京都の山は急峻で、尚且つ昨今の異常気象の為植林作業は非常に困難になっており、植林した木が根付かないことも多いようです。

砂漠化まではしていませんが、このところ少雨により植林した木がそのまま枯れてしまっていることも・・・
植林の難しさを感じざる負えません。
それでも、山に木が無くなれば山に降った雨があっという間に海に流れ、水不足に悩まされることとなり、人々が苦しむことになる。
やはり山は大事にしていかなければいけないもの。人間が生きていくための「植林」、目先ではなく先を考えるとやりがいを感じる仕事だと改めて思いました。