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木造建築で新しい波との出会い

東京で唯一の木造建築の映画館。青梅織物工業協同組合敷地内に映画館としたミニシアター。
木造の建物をリノベし、最新鋭の映画設備を兼ね備えつつ木造ならではの木のぬくもりを感じることのできる映画館という触れ込みがある中、実際足を踏み入れたところ、こじんまりとした建物の天井には年季の入った梁が見え、映画というより博物館・資料館のような佇まいです。

2021年に国登録有形文化財に登録されている木造建築物をリノベしてオープンした映画館ですが、ミニシアターとして何とも心地よい空間を作り出しているのは木造だからでしょうか。
こちらの映画館で、ヌーヴェル・ヴァーグの代表格であるジャン=リュック・ゴダールのドキュメンタリーを見る機会がありました。その時代にいないと分からないことが多く、歴史としての「ヌーヴェル・ヴァーグ(新しい波)」でしか知らないことに歯がゆさなり悔しさを感じましたが、現在起こっていることの中に身を置いていることに変わりなく、新しい波があったから今があるのではと思いながら映画館を後にしました。
青梅宿として栄えた青梅街道沿いには木造の建物が残っており、今回リノベした映画館のように蘇らせる可能性を示したというところで、地元の木材(多摩産材)を使った木造建築の良さを知ってもらう新しい時代のさざ波でも起こせればと思った帰り道でした。